プログラマーという職業

ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち

ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち

下記のようなエントリーを見つけました。

http://d.hatena.ne.jp/tomyhero/20070511/1178873959

プログラマー,SEは業務以外の仕事からは簡単に、なんでも逃げれる。ばしばし逃げれる。

それを克服しないと、会社はのびないと思う。

例)

* 会議があります。不具合対応中だから、参加できません。
* 会議があります。お客様と電話中なので無理です。
* 会議があります。今忙しいです。
* 品質を上げましょう。業務が忙しいから無理。
* この取り組みをしましょう。そんな暇はない。

なんでもありの世界です。口実で溢れています。溺れそうです。

言っていることは至極もっともだと思いますが、一言だけ言わせてください。

ハッカープログラマー)は、コーディングを邪魔されることをものすごく嫌がります(運が悪いと鬼のような形相で睨まれます)。いったんコーディングを中断されると、再復帰にものすごく時間がかかり、著しく効率が低下するからです(他の職業の比ではありません)。プログラミングという作業はまるで天からインスピレーションが降ってくるを待つような作業なのです。それは職業というより芸術家に近いものです。だから、プログラマーを雇うというのは、芸術家を雇うのと同じものと考えてほしいのです。芸術家を雑事に惑わせたりしないですよね?

ハッカーと画家」という本にはハッカープログラマー)という生き物の正体が書かれています。管理職の方こそ読んでほしい本です。

『一般報道では、「ハッカー」とはコンピュータに侵入する人物のことを指す。プログラマの間では、その言葉は優れたプログラマを指す。この2つの意味は実はつながっている。プログラマにとって「ハッカー」とは、文字通りその道の達人であることを意味しているんだ。つまり、コンピュータに、良いことであれ悪いことであれ、自分のやりたいことをやらせることができる者、ということだ。』

コンピュータに囲まれ、インターネットで何もかもが置き換えられようとしている現代では、インターネットに住み、コンピュータを自在に操るハッカーは、ときには魔法のように世界を次の世代へと進めるウィザードとして、またときには挑戦的で反社会的な問題児として扱われる。2つの極端な扱いはともに、ハッカーが「ルールに従順でない」ことから来ている。誰もが当たり前と思っている「ルール」を曲げることで、良くも悪くも普通ではない結果を得ることができる技能の持ち主、それがハッカーだ。

ハッカーの並外れた知識と技能は、普段はインターネットやコンピュータの向こう側に隠れていて見えない。ハッカーは同時にオタク(nerd)であることが多く、概して社交的ではない。その技能で、反社会的活動に関わったときに初めて外の世界からその存在が公になるために、ハッカーはコンピュータに悪事を働くものとして定義されてしまった。著者はこの日本語版のための書き下ろしを含む17のエッセイを通して、ハッカーの頭の中に広がる世界を一般社会に見せようとしている。コンピュータ・ソフトウェアのプログラミングに関わる深い問題と、貧富の差や富の創造、それにものづくりのセンスのようなやわらかい題材を通して、コンピュータ時代の革新を担うハッカーたちのものの考え方に触れることができる。

『オタク野郎』たちを使いこなすのは難しい。とりわけ、ルールにとらわれ、リスクをとって前に進むことのできない『髪のとんがった上司』には、彼らをうまく扱うのは至難の業だ。本書は、ハッカーたちが考えていることをハッカーでない人たちにもわかる言葉で解説してくれる。『過去30年ほどの間に裕福になった人々の多くがプログラマであった』ことを考えれば、彼らが今何を考えているのか知ることは、無駄でないどころか必須科目だとすらいえるだろう。また、今現在「オタク(nerd)」のレッテルを貼られて苦しんでいる若者たちにとっては、周囲に広がる広大で可能性に満ちた世界を知ることができる、社会見学のような存在でもある。(吉松史彰)